送料は1点につき1,000円です。30,000円以上ご購入で送料無料!(一部対象外品あり)

【城東テクノ】基礎パッキンとシロアリ対策

今回は、ほとんどの木造住宅に使われているキソパッキンについて、城東テクノ様にお話を聞いてきました。
キソパッキンがここまでシェアを拡大できた理由やどんな製品があるのかをご紹介します。

キソパッキンと城東テクノ

城東テクノでは、キソパッキンを使った工法のことを「JOTOキソパッキング工法」と言っています。
耐久性、耐震性が高まる工法として今では多くの物件に使われています。
城東テクノがキソパッキンを開発したのは、1976年11月。
今でこそキソパッキンや床下点検口などでシェアを誇る城東テクノですが、当時は従業員も60名ほどの小さな町工場で樹脂の押出成型メーカーでした。
メーカーからのOEM品や住宅用のマンホールのふたなどを作っていたそう。
樹脂の充填剤として焼却灰を使うことを着想した創業者は、試行錯誤の上炭酸カルシウムを高配合した新しい複合材を開発。
樹脂なのに石のように硬く、複雑な成型を可能にしました。
さらに、この素材を使えば、肉厚なねこ土台の成型が可能であるとの発想から1976年に「キソパッキン」が誕生しました。

10年後の1986年には国家プロジェクト「CHS百年住宅」に木造軸組で唯一採用されます。
1994年、Jotoキソパッキング工法は「住宅金融公庫評価承認第一号(今でいうフラット35)」を取得し、住宅金融公庫の全ての仕様規定に適合した融資対象とされる工法になりました。

建築基準法の改正とキソパッキン

1995年1月、阪神淡路大震災が発生。
直下型の地震だったため、家屋の倒壊が非常に多かった災害でした。
これを機に建築基準法の改正が進みます。
改正前は基礎に風窓を開ける工法が一般的でした。
建築基準法の改正で、基礎が鉄筋コンクリートに変更されます。
キソパッキンを使用するのは基礎と土台の絶縁ということもありますが、もう一つ、法改正で基礎を鉄筋コンクリートにしなければならなくなった時に、風窓を設置する部分には鉄筋を通せないという課題を解決できたことがあります。
鉄筋を通せないと風窓部分を避けて補助筋を入れないといけないという手間が発生してしまいます。
さらに、風窓部分はクラック(ひび割れ)が起きやすく、地震が起きた時にはそこが弱点になってしまいます。

城東テクノ調べでは、阪神淡路大震災の時にJOTOキソパッキング工法採用住宅の倒壊は「0」でした。
こうして開発から約20年経って、キソパッキンが注目されるようになったのです。
 

JOTOしろあり補償制度の開始

2002年、この頃にはキソパッキンの有用性が認知されており、他社製品も参入するようになっていました。
最大で40社ほどあったそうです。
そんな中、城東テクノとして何ができるだろう?と考えて始まったのが「JOTOしろあり補償制度」
城東テクノのキソパッキンを使えばシロアリ対策になるので、万が一被害にあった時は補償しますよ、と始まった制度です。
城東テクノの基礎パッキンを使用していることが補償の条件で、登録料や保険料は一切かかりません。
メーカーとしては初めて行った制度でした。
新築に使用していただいて、10年間・累計500万円までが補償内容となっています。

日本にいるシロアリはヤマトシロアリかイエシロアリが在来種です。
特に、西日本にいるイエシロアリは食害が早くて強く、九州では被害が深刻になっているケースも多くありました。
一方、北海道などの寒冷地にはシロアリはいませんでしたが、地球温暖化の影響で最近ではシロアリが確認されるようになっています。
今では日本全国どの地方の方にとっても必要で、より安心できる制度となってきています。

JOTOしろあり保証1000の開始

2015年4月、しろあり補償制度をさらにバージョンアップし、しろあり保証1000、開始。

保証条件

『しろあり保証1000 Jotoキソパッキング工法』では、『Jotoキソパッキング工法』の標準仕様に適合し、Joto指定3部材を使用している事が保証の条件となっています。
(指定3部材)
・キソパッキンまたはキソパッキンロング
・気密パッキンロング
・Joto防蟻付水切り

この時に「ホショウ」の文字が補償→保証に変更されます。
これは、シロアリ被害が出ないことを保証する、という意味合いに変わったから。
2002年のしろあり補償制度の開始以降、城東テクノは被害が出た毎現場でなぜ出てしまったのか、というノウハウを蓄積してきました。
実際に現場を確認すると施工の不備があるという場合もあったそうです。
しろあり保証1000にするタイミングで、使用必須部材を1つ増やしました。
それが「防鼠付き水切り」です。
防鼠付き水切りはキソパッキンの通気を補助できる部材。
どんな家でも水切りは必ず設置しますが、他社メーカーのものだとJOTOキソパッキング工法の通気を阻害してしまう可能性がありました。
城東テクノの指定の防鼠付き水切りを使用することで、基礎パッキンと床下を換気し、シロアリ対策にもなります。
指定部材は増えましたが、保証も1000万円までに増額しました。
これを使っていれば、シロアリはまず出ません!という保証に。

また、建築基準法では防蟻・防腐措置は必ず何か行わなけれないけません。
住宅のシロアリ対策としては防蟻材を塗るケースが多いのですが、城東テクノの防蟻対策と併用しても構いません。
薬剤を嫌がるお客様もいらっしゃり、そういった方には多く選んでいただいているサービスでもあります。
しろあり保証1000では、薬剤使用の有無に関わらず、とにかく城東テクノの指定部材を使用していれば保証対象となります。
※建築基準法で定める防腐・防蟻措置は別途必要になります。

グッドデザイン賞、受賞!

2015年10月にはしろあり保証制度がグッドデザイン賞ベスト100に選ばれます。
グッドデザイン賞自体は毎年1000アイテム程選ばれますがベスト100はそのうち100のみと非常に貴重な賞です。
初挑戦した年にグッドデザイン賞ベスト100が取れた!と城東テクノ内でも大変盛り上がったそう。

評価理由としては、キソパッキンというハードウェア要素だけでなく、損害保険会社との連携による補修費用の保証制度というサービス要素が融合されたPSS(Product Service System)です。
施工主がほしい家は、長寿命な強い家であるという要求を深く理解し、分析し、具体的なPSSとして実現しています。
多くの製品のサービスとの融合が議論される中で、素晴らしいリファレンスモデルとなります。
さらに素晴らしいのは、長い年月を使ってこのシステムの有用性を実証し、システムを常に更新していることです。
グッドデザイン賞HPより

グッドデザイン賞というと見た目のデザインのイメージが強いですが、キソパッキンとキソパッキング工法、しろあり保証制度をまとめてグッドデザイン賞を取りました。
シロアリ被害のノウハウを蓄積して、保証を改良していることが評価されているのが分かります。

キソパッキング工法累計施工実績400万棟、突破!

2016年7月 発売開始から40年、キソパッキング工法累計施工実績400万棟
JOTOキソパッキング工法を使うのが床下の換気を取る場合です。
最近は全館空調や基礎断熱の住宅も増えており、そうなると住宅の気密ラインが変わるため基本的にはキソパッキンが不要になってしまいます。
床下換気を取る場合、床が断熱ラインになっています。
床下は部屋外として考えます。
一方、基礎断熱の場合は基礎の立ち上がり等に断熱材を貼るので、基礎の中まで部屋内として考えます。
そのため、基礎も開口しないのが基本となります。
基礎断熱の場合は、外周に気密パッキンを使用して全周回すといった断熱方法を取ります。

2017年4月 しろあり保証1000 JOTO基礎断熱工法をスタート!

2017年4月、基礎断熱の増加に伴い、しろあり保証1000 JOTO基礎断熱工法を開始。
基礎断熱用のJOTOキソパッキング工法を開発しました。
機械換気にも頼る+今までのシロアリ対策のノウハウがあるので、別の指定部材も使用してもらうことで保証を可能にしました。
基礎断熱の場合、床下の換気をしないためシロアリの被害が増えてしまうというのが定石です。
基礎コンクリートの上に土台という木材がのっています。
その木材が湿気を含んだ状態になるとシロアリが来やすくなり、腐りやすくもなります。
つまり、木材を乾燥状態で保つことがシロアリを防ぐことにもなります。

JOTOキソパッキング工法では床下の換気をフォローすることでシロアリ対策ともしています。
しかし、基礎断熱工法は床下を塞いでしまうので換気ができません。

ただ、キソパッキンには換気のほかに基礎と土台を絶縁し、基礎コンクリートが放出する水分を土台が吸わないようにするという役割もあります。
基礎に風窓を作りそこから床下に空気を取り込む工法では、基礎コンクリートの上にそのまま木材をのせていました。
コンクリートは水・セメント・砂・砂利を混ぜたものです。
コンクリートは固まってから1年くらいはずっと水分を放出し続けています。
土台(木材)が直接のっていると木材にずっと水分が移り続けてしまい、木材の劣化が起こりやすくなります。
「絶縁する」という意味では基礎断熱工法の場合も、基礎パッキンを使用した方が良いと言えます

しろあり保証1000 JOTO基礎断熱工法では、まずキソパッキンで絶縁し機械の強制換気で空気を床下に回し、外周は気密パッキンを回します。
基礎内部の立ち上がりは通気のパッキンを回すことで、中での機械換気が回しやすくなります。
これをしっかり行えばシロアリ被害は出ないという研究ができたため、スタートした保証です。

しろあり保証1000 JOTO基礎断熱工法については今のところ被害は出ていないそうです。

保証条件

住宅会社様が提供される新築住宅に 「Joto基礎断熱工法」及び「指定2部材プラン」または「指定4部材プラン」を ご採用で竣工後10年以内のシロアリ被害発生に対し 累計1,000万円を補償します。

(指定2部材プラン)
・シロアリ返し付き断熱気密パッキン
・キソパッキンまたはキソパッキンロング

(指定4部材プラン)
・基礎断熱工法用気密パッキン
・キソパッキンまたはキソパッキンロング
・基礎断熱工法用シロアリ返し
・基礎断熱工法用断熱ブロック

パッキンに断熱材がついていることで、断熱材を切り張りせずにつなげられ、結露を防げます
もし結露すると木材が濡れてしまうのでそれが対策できるようになっています。
家の外周部分でも物理的にシロアリが上がれないようにしながら、基礎の内部に関しては通常の通気の取れるキソパッキンを使用してもらいます。

基礎断熱工法をしている人はこれ以外のシロアリ対策だと薬剤を使う場合が多いです。
薬剤を使いたくない場合は、JOTO基礎断熱工法(10年保証)と薬剤を使わない防腐・防蟻対策を行うことで保証が付きます。
薬剤を使用する場合、国の基準も変わってきていて、人体への影響もあるので毒性の弱いものしか使用できなくなっています。
薬剤を塗っても5年後には完全に揮発してしまう、防蟻効果が無くなるものしか使えないので基本的には5年保証です。
薬剤を使用した場合もJOTO基礎断熱工法を使えば城東テクノの保証がつきます。
そのため、基礎断熱工法の方で一番多いのは薬剤+JOTO基礎断熱工法の両方を使用することだそうです。

2023年、Jotoキソパッキング工法累計採用棟数600万棟、突破!

2021年9月にはJotoキソパッキング工法累計採用棟数が550万棟を突破しました。
これは、日本の木造住宅の半分以上にJOTOの基礎パッキンが使用されている計算になります。
シロアリ保証制度の登録住戸数も100万棟突破!

さらに2023年6月には累計採用棟数が600万棟を突破しました。
※累計採用棟数は出荷量から城東テクノ独自の計算方式で算出しています。

キソパッキンとは?

実際に手に取ってみると、想像より硬かったキソパッキン。
圧縮荷重は1立方センチメートル当たりの強度だと基礎のコンクリートよりも強い物性になっています。

キソパッキン

キソパッキンは基礎の上に並べる時に少し離して置くことで通気を取ります
そのため、キソパッキンは並べ方に決まりがあります。
並べ方を覚えるまでは少し設置に悩むかもしれません。

キソパッキンロング

こちらはキソパッキン自体に穴が開いておりそこで通気をとれるため、基礎の上全てに置いてぐるっと回せば設置完了です。
全周換気が簡単に取れます。
基礎に並べていき、はみ出した部分は丸のこなどでカットできます。
断面にスリットが入っており、防鼠材の機能も果たします。

対応土台

在来:105・120・135・150角 の4種類
2×4:204・404・206・406 の4種類

材質

JC:樹脂(プラスチック)と石を砕いた粉を混ぜて作られています。
Jotoのすべてのキソパッキンがこの素材です。

見た目については、見ただけで城東テクノのキソパッキンだと分かるようにというのが一つ。
それと、上から土台を回すときに現場で墨打ちをしてラインを引き、位置を合わせるのですが、その墨打ちが見えるようにこういうくぼみにしているそうです。

補助部材のご紹介

モルタル止付キソパッキンロング

モルタル止めとは?
基礎のコンクリートを打った時、コンクリートが打ちっ放しになります。
左官屋さんがモルタルを塗装して表面をきれいにする作業を行います。
キソパッキンロングだとコンクリートの上にのっているため、コンクリートを塗るときにキソパッキンの開口部分に誤ってモルタルを塗ってしまうと通気ができなくなってしまいます。
それを防ぐためにつばがついているキソパッキンが、モルタル止付キソパッキンロングです。
そうすることで開口部分をモルタルで塞いでしまうということを防ぐことができます。
しろあり保証で現場を訪問する中で、実際にそういうケースがあったため、防止するために作られた商品なんだそうです。

防鼠付水切り

同様の効果があるのが「防鼠付水切り」です。
こちらはしろあり保証の必須部材でもあります。
木材に水を回さないようにする部材で、外壁から雨が伝って落ちる時に水切りを伝うことで地面に落ちるようにする部材です。
水切りがないと外壁の内側を伝って、土台やキソパッキン側に落ちてきてしまうことも考えられます。
さらに風が吹いたりすると余計に土台側に入ってきてしまうことが考えられますよね。
折り返しがついた水切りなのでネズミも入れなくなり、モルタルの塗りこみサポートもできる水切りになっています。
水切りの折り返しの一番前に通気穴をあけているので、後ろが塞がっても通気できるのがポイントです。

開口部がとても小さいように感じますが、床下換気の開口の面積は決まっており、もちろんそれはクリアした作りになっているそうです。
1か所しか穴が開いていなければ風は通りにくいですが、出口もあれば空気は入ると必ず押されて出ていきます。
こうしてしっかり空気が流れる構造になります。
ただ、通気口が飛び飛びだと流れが悪く、淀みやすくなってしまいます。
従来の風窓工法だと一面に1~2か所しか風窓を開けず、全周換気しづらくなっていました。
キソパッキンだと開口部がたくさんあるのでしっかり換気できる状態を作り出すことができます。

気密パッキンロング

穴が開いておらず上下に気密材を通すことで、基礎と土台で潰したときに気密材が潰れてしっかり空気を防げる(気密が取れる)製品です。
住宅には一部、通気を取らない方が良い場所(ユニットバス廻りなど)があり、そこに使います。

ユニットバス廻り

ユニットバス廻りは空気が回りやすくなると、お風呂のお湯が冷めてしまうからです。
そのため、床下換気を取っている場合も、ユニットバスは基礎断熱にするという場合が多くあります。

玄関土間

玄関のタイル仕上げは1段上がっており、 元々床下の空間がない状態になっています。
床下の換気が取れないので通気にしても換気できません。
さらにモルタル・タイルがひび割れたり隙間が空いたりした時に、床下の外気を引っ張り上げてしまう現象が起こります
さらにコンクリート→モルタル→タイルという仕上げが多いですが、24時間換気の家が多く気密が取れていて空気をしっかり流している家が多いのです。
そうすると、冬場の温度差が発生した時に空気を引っ張り上げて框に湿気を帯びさせてしまいます。
そのため、玄関区画も気密パッキンにて施工することが必要とされています。
もちろん、同じような性能を持った別部材・別メーカーの製品もあります。
例えば、通気補助という意味ではモルタル止付ロングパッキンがあるので、 本来これでもしろあり対策になります。
ただ、しろあり保証の際に水切りは何を使っても良いとしてしまうと、 床下換気のことを気にしていない製品も世の中には存在しています。
そのため、しろあり保証を付けるためには基礎廻りは城東テクノのキソパッキンと城東テクノの水切りを併用してくださいとしているそうです。

いかがでしたか

城東テクノのキソパッキンについてご紹介しました。
普段生活している中ではあまり目にすることもなく、家づくりの際にわざわざ施主から指定されることも少ないキソパッキン。
ですが、せっかくなら長持ちする家にしたいですよね。
ユニークな建材で長持ち住まいをささえてくれる、城東テクノの製品をぜひ採用してみてはいかがでしょうか。

\城東テクノの製品を見に行く!/
城東テクノ

【外部リンク】
より詳しく知りたい方、事業者登録をしたい方は、メーカー公式サイトをご確認ください。

しろあり保証1000 Jotoキソパッキング工法

しろあり保証1000 Joto基礎断工法
・・・ジェイリライフ会員募集中・・・