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【名古屋モザイク工業】床と壁・国産と外国産タイルの違い

今回はタイルの名古屋モザイクのショールームが新しくなったと聞き、お伺いしてきました。

名古屋モザイクとは

原点は、1938年3月。
初代社長である加藤正一さんが名古屋に「名古屋モザイク共同販売所」を立ち上げたことから始まりました。
初めは若くして培った経験と1万円の資本金のみという仕入れにも事欠くほどゼロからのスタートだったそう。
それでも従業員の努力や取引先の温かい支えもあり第二次世界大戦などの困難も乗り越えてきました。
現在主にイタリアで買い付けをしている名古屋モザイクですが、元々はイギリス製のタイル「ミントン」を日本で販売していました。
しかし高級なのであまり売れず、当時値段的にも手頃で質も良かったのがイタリアのタイルでした。
それ以来、イタリアからのタイル輸入量は毎年増えているそうです。
今では国内外の1万点を超えるタイルを取り扱っています。
最新のタイルを実際に見て触れてほしいという思いから各地にショールームも開設しています。

では、早速ショールームを見ていきましょう!

1階・フロアタイル

まずは1階です。
ショールームに足を踏み入れると、大迫力かつ印象的なタイルが出迎えてくれます。

何とその大きさは1,500×750サイズ!
実はこんなに大きなサイズは日本では作れないそうです。
日本で作成できるのは最大で600×300角のサイズだそう。
大型のタイルのプレス機がないため、このサイズが最大になるそうです。

一方でタイルの本場・イタリアにはなんと100tクラスのタイル製造機があるそう。
こちらの1Fに展示されているものはサイズからみてもほとんどが外国製のようでした。
こちらはインクジェットで模様をつけて焼いてるタイルです。
一枚一枚で全く表情が違います。

インクジェットを使わない場合はもちろん焼き加減や釉薬の使い方で多少の違いは出ますが、柄がほぼ同じパターンでしか焼けないそうです。
同じ商品でも中に茶が入っているタイルや黒だけの模様のタイルなどより個性が出ているのが分かりますよね。

タイルの作り方

そもそもタイルはどのようにして作られるかご存知ですか?
タイルの原料は石や土。
それらをパウダー状にしてプレス機で固めて1250℃の高温焼成で焼き固めます。
そうすることで硬質なタイルができ上がります。
釉薬(ゆうやく)をスプレーでかけることで素地と釉薬のバランスで柄が浮き出てきます。
工場にもよりますが、どんな模様が出るかを計算してコンピュータでプレスをかけていきます。
機械で行うとはいえ、1枚ずつ釉薬の付き方も違ってくるため計算していても柄は多少違ってくるものなのだそう。
ちなみに小さいタイルも大きくプレスした後にカットして作られています。

上の写真の丸いタイルは、四角い輸入タイルを日本の工場で加工しています。
ウォータージェットで切り抜くのですがコンピュータで制御されているのできれいな曲線にすることができます。
丸以外で切り抜くことも可能ですが、タイルは角と真ん中で強度も違うため、同じ水圧でカットするわけにはいきません。
場所によって水圧を弱めにしたり強めたりと細かな調整が必要になってきます。
さらに何度も繰り返しカットするとタイル自体が弱くなって割れてしまいます。
そのため、1枚のタイルを複雑な図形にカットするのはあまり行うことはないとのことでした。

次にショールームの地下1階・インテリアウォールタイルを見に行きます!

こぼればなし………………………………

ショールーム、階段の壁もタイルでできていました!
丸くカーブした階段のようですが、よく見るとかくかくしています。
階段の幅に沿ってタイルのサイズも合わせられているというこだわり。
またタイルで作られた鯉の滝登りをモチーフにしたモニュメントもありました。

B1階・インテリアウォールタイル

壁用のタイルが展示された地下1階。
国産タイルや外国産タイル、本当にいろんな種類のタイルを見ることができます。

タイルによってシートで出荷されるものや1個売りされるものがあります。
中には、バラでご購入いただいたら実は箸置きに使っていた!なんて方もいらっしゃるそう。
タイルだけでなく天然石の商品もあります。
また、目地の色も様々で目地によってもタイルの印象が大きく変わります。
タイル自体の色も雰囲気が違って見えたりもしました。

名古屋モザイクで人気の製品を教えていただきました!

たくさんのタイルがある中で人気の製品はどれですか?と聞いてみました。
一番人気!コラベル(日本製)
案内してくださった方に一番人気を聞いたところ「コラベル」とのこと。
確かに個性的でとてもかわいい柄ですよね。
長年愛され続けているランタン型モザイクタイルです。
こちらはテレビドラマや朝のニュース番組でも使われたことがあるタイルで、カラーも豊富にあるので組み合わせによって全然違う雰囲気が出せます。
また、こちらのコラベルは品番によっては壁だけでなく床にも使えるタイルです。
エスマルタード(スペイン製)
モロッコの伝統的なゼリージュタイルをモチーフにしたタイル。
Web上で見ていた時のイメージと色が違って感じられ、実際に自分の目で確認する大切さを感じた製品です。

実際、ショールームに来られる方はエンドユーザーの方も多いそうです。
注文住宅でキッチンだけはタイルを選べたりする場合、おすすめしているのは2~3回来ていただいて選んだものを繰り返し見ること。
そうやって毎回本当にそれでいいか確認していただいて納得して選んでいただくようしにているとのことでした。
実際に何度も足を運んでくださるお客様も多いそうです。
クリクレア(日本製)
他に人気の商品を聞いたところ、こちらのクリクレアも人気とのこと。
釉薬の厚み手幻想的な尾を生み出します。
どのタイルも白や青一色ではなく、ベージュっぽかったり水色っぽい柄が出ていますよね。
これは自然な焼きムラ。そうやってムラができたものをうまく組み合わせて壁を作っていきます。
どのタイルにも言えることですが、窯はトンネルのようになっていて上段・中段・下段があるため火の強い部分や弱い部分など窯内での置き場所によっても色味が違ってきます
さらに同じ釉薬を使っていても、春夏秋冬、季節によっても仕上がりは変わってきます
生産のロットが変わるとこれでもまた色味が変わります。
タイルはまるで生もののように変化があるものですね。

その他にも本当にいろいろな種類の商品がショールームには並んでいました。
コラトゥーラ(イタリア製)
こちらも人気があって出ているそう。
手作りならではの素材感と豊かな色むらを表現しました。
特殊面状は釉薬の特性上変わって見えるのとプレスして柔らかな葉っぱのような型を付けます。
型押ししていないタイルと、型押しされた特殊面状タイルを混ぜて使用することもあるそうですよ!
クロジョーロ(イタリア製)
ジェイリライフは名古屋モザイクのタイルは一部商品を取扱っていますが、その中でもジェイリライフで1番売れるのはこちらのクロジョーロです。
熟練した職人技と最新のテクノロジーでこれまで不可能とされていた、鮮やかでむらのある色彩を実現しました。
縦横どちらでも使え、壁だけでなく居室の床に使用することもできます。
ローランシア(日本製)
志野や天目などの織部焼のテイストを醸す釉薬の色づかいと、立体的で重厚な造形が融合したタイル。
雰囲気のあるデザインで屋外の壁にもご利用いただけます。
古窯磚(コヨウセン)(中国製)
上海のレンガの建物を壊す時に出てくるレンガを使ったリサイクル商品。
三丁掛は、上海郊外にあった約100年前の建造物から再成した希少品です。
そういった建物自体がなくなってしまったら、将来的には廃盤になるだろう商品とのこと。
もろいので外で使うと溶けてしまうため、屋内壁で使用してください。
実際に店舗などで使われるそうです。
こちらはオレンジ色の強い部分もあればグレーっぽい部分もあるため、サンプルを1つ見て判断されると届いた商品とイメージが異なってしまう場合があるそうなので注意が必要です。
バーガンディ(スペイン製)
こちらもよく出るタイル。
タイルの大きさに微妙にずれがあってそれが人気のポイントだそう。
かっちりしすぎておらず、少し遊びがある。
そしてスペインの情熱的な力強いカラーバリエーションを楽しめます。
タイルではありませんが次の製品も特徴的でした。
AG+
ALC粉末(リサイクル)と二酸化炭素から作られたエコタイルで、焼成を一切行わない省エネルギー製法で作られています。
さらに優れた調湿性能があり、夏は吸湿して湿度を下げ、冬は放湿して湿度を上げて、ひとが快適に暮らせる環境づくりに貢献します。
また、銀イオンによる抗菌・消臭効果もあります。
施工も、カッターを使えば簡単にカット加工でき、接着剤で張ることができます。
実際にサンプルを触らせていただいたところ、少し力を入れると手でぽきっと折ることができました。
こちらは機能性を追求した製品で調湿効果があるため内装のみにご利用ください。
タイルなので配送の際に割れてしまうこともあるのですか?と伺ったところ、通常の配送便でお届けしているため「割れてました」という連絡もたまにはあるそう。
ただ、中には元々欠けているように見えるデザインのタイルもあるので、その場合はつるつるしていれば欠けじゃなく、そういう仕様ですとご説明したりもしているそうです。

輸入タイルと国産タイル

イタリアがタイルの本場なのでイタリアからの輸入品も多いそうですがその他にスペインから輸入している製品もあります。
実はタイルも生産国毎に特徴があるそう。

中国製
床に向いている製品が多いそうです。
デザイン自体はイタリアを参考にしたようなデザインもあります。
派手なデザインのタイルも多いそう。

イタリア製
さすが本場だけあって色の出し方も上手とのこと。
自由な発想でタイル作りが行われており変わったデザインのタイルもあります。

スペイン製
スペインはテラコッタの有名な国。
テラコッタは柔らかいため、屋外や寒冷地だと膨張して割れてしまうので向いていません。
室内で使う分には色も明るくおすすめです。

日本製
日本は工業製品なので均一に作るのが得意なんだそう。
そのためきっちりとしたタイルが好きな方にはおすすめです。
それだけでなく、先ほどご紹介したコラベルなど特徴的なタイルを作っている工房もあります。

名古屋モザイクでは主にイタリアの商品を買い付けてきて日本で販売しています。
入荷のタイミングはタイル毎の売れ行きにもよりますが、名古屋モザイクでは人気の製品の場合2~3ヶ月毎に入荷を行っているそうです。
イタリアには大小合わせて1万以上の工房・工場があります。
1番大きい工場だと東京ドーム5個くらいの広さもあるそうです。

数年前に全世界でタイルを張る面積を調べた結果…
アメリカやイタリアは1人当たり1平米ほどだったのに対して日本は1人当たり0.45平米と半分以下。
その背景としてアメリカはDIYがさかんな国なので自分たちで家をDIYするとなった時にタイルは割と手に取りやすいのではないかなと思ったりました。
住宅の工事基準も日本と違い、アメリカはそこまで厳密ではないそうです。
タイルは国内外問わず、工場主体で商品開発を行っています。
新製品ができると工房から連絡があります。
例えば同じ工房の製品を別の会社も販売していることもあるそうです。
ただし、名前はそれぞれの会社で決めるため別の名前で販売されています。
今回案内してくださった方も、新製品の名前を決めたこともあったそう!
しかし残念ながら半年くらいで製造中止になってしまい、世に出ていないタイルとなってしまいました。

日本には最盛期で約1,000の工房がありました。
今は名古屋モザイクと取引があるのが200~300工房と段々減ってきています。
 

壁用と床用の違い

ショールームでは「このタイルは壁用」「こちらは床用」とご紹介いただいたのですが同じタイルではないのでしょうか。

壁タイル:陶器質、若干吸水性があって柔らかいタイル
床タイル:硬質なタイル

という違いがあるそうです。
タイルを叩いてみると音が違います。
床用のタイルは硬いので金属音のような音がします。

壁にも床にも使えるタイルは基本的には硬質タイルです。
なぜなら壁のものを床に使ってしまうと割れたり、吸水性があるので汚れが落ちなかったりするから。

キッチンの壁に貼る場合は、硬質の方が良いですがお手入れをしっかりすれば壁用のものでももちろん良いです。
その他、壁用のタイルは洗面室には使えますが浴室には使えません。
常時水分があるような場所はNGで、硬質の床用タイルであれば浴室にも使えます。

床用のタイルは幅広い用途で使えますが、壁用のタイルは使用場所が制限されています。
では全て硬質タイルにすればいいのではないだろうかと思いませんか?

タイルは、釉薬が染み込んでいき、それを焼いて発色させています。
その場合は柔らかいタイルの方が釉薬が入りやすく、硬質だと釉薬を表面に残したまま焼いて発色することになります
この二つは発色させることができる色、また色合いや雰囲気が違ってきます。
柔らかいタイルでしか出せない色があり、柔らかいタイルだからこそ釉薬が染み込んではっきりとした色を出すことができたりします。
柔らかいタイルの方がデザインの幅が豊富なのだそうです。
そうなると使用する場所や自分の好みに合わせて選んでいくことが大切ですね。

仕上がりの艶についても最初にブライト釉を使うかマット釉を使うかで違ってきます。
焼きあがってから選別するのは欠けがあるかなどだけ。
これだけ1つ1つに個性があれば、ある程度の違いはそういうものとして受け入れる器量が必要かもしれません。
その他、ショールームにはル・コルヴィジェや地元のデザイナーとのコラボ商品も展示されていました。

各製品の入れ替えについては工場の売れ行きによって廃盤が決まったりするため、日本で人気でも製造中止になってしまうことも。
もちろん同じ製品をずっと作っている工場もあるため一概には言えませんが、これだ!と思うタイルに出会えたら注文してしまうのが良い時もありそうですね。

2F・外壁用タイル

次に2Fへ移動して外装の壁材を見ていきます。
マンションの外装などに使われるタイルですが実はマンションにタイルを貼るのは日本ぐらいなのだそうです。
海外はまず一戸建てが多いのもありますが、マンションがあってもコンクリートのRC造のことが多いとのことでした。
そのため、ショールーム2Fにある外壁タイルはほぼ国産品。
国内で作れる最大の600X300サイズの商品が多数ありました。

一部床用のタイルもありましたが、20厚タイルは海外製。
これは、高輪ゲートウェイ駅でも使用されているのだそう。
実際に外壁に貼るときの工法も見ることができます。
ステンレスを設置して石を接着剤で貼っていきます。
タイルの間は通常通り目地を入れていきます。
地震が来たとしても躯体と一緒になっており接着剤でしっかり止まっているため安心して使っていただけます。
床に使用する場合は下地にモルタルを塗ってその上に石を置いていきます。

3F・研究室

次に訪ねたのは、3Fの研究室と呼ばれている部署です。
ここでは、日々新製品を研究しているとのこと。
海外の実例とともにタイルが展示されていました。
このように、新しいタイルやタイルの可能性を探している部署がこの研究室です。
海外で出た事例を日本で応用できないかなど機能・使い道を探しています。
また、設計事務所の依頼で全世界から依頼にかなうタイルを探したりもするそう。
こちらはまだ世に出ていない商品だそうです。
光を反射していない薄いベージュのところが釉薬を塗っていない部分。
釉薬を塗っていない場合、触るとざらつきが強いのが分かります。

これまで釉薬の塗り方でタイルに違いが出ると教えていただきました。
では釉薬を塗っていないとどうなるのでしょう?
答えは、生地の原料の色が出るタイルになります。
例えばテラコッタを原料に多く使っていると赤茶っぽい色のタイルが出来上がります。

ただ、作りたい色によって土台の生地を変えるということはあまりないそうです。
工場にもよりますが通常は使う生地は決まっており、釉薬で色味を変えていく方法をとっているとのことでした。

いかがでしたか?

タイルの作り方や床用・壁用の違いなどを教えてもらい、とても面白いショールーム訪問となりました。
名古屋モザイクには約10,000アイテムもの商品があるそう。
きっとあなたも気に入るタイルが見つけられますよ!

お近くにショールームがない方は、名古屋モザイクさんがサンプル手配を行っているとのことです。
質感など直接見なければ分からないかと思いますので、気になる商品があれば直接依頼してみてくださいね。
※当店ではサンプルの手配は行っておりませんので、予めご了承ください。

シミュレーションも実際に触ってみると面白かったのでぜひお試しください。
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